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トランプ大統領が就任演説で言った6つのこと

トランプ大統領が就任しました。

メキシコとの国境に壁を作る! 費用はメキシコ持ちだ! など、とんでもない発言を連発し、Twitterカツアゲで名だたる大企業を屈服させるトランプ氏もついに次期の文字がはずれ、大統領となりました。

わりと無茶苦茶なことを言っているトランプ大統領ですが、根底にある哲学「アメリカ・ファースト」にブレはなかったりします。

放言一発で世界経済を揺るがす大国アメリカのトップ、トランプ大統領は就任演説で何を言ったのでしょう?

以下にある就任演説の邦訳を参考に、気になったキーワードをまとめてみました。

www.huffingtonpost.jp

1.アメリカ国民(民衆)のための政治を行う

演説の冒頭で、今までの政治はワシントン(ホワイトハウス)が中心だったと断じ、自分の政治は「民衆」のために行うと宣言しています。

今回の演説の基本骨子は、まさにこの主張に基づいています。アメリカ・ファーストのファーストが指す先とは、アメリカの国益や政治家ではなく、国民一人一人なんですよ、ということですね。

トランプを支持した人たちはグローバル主義にうまく乗れなかった白人たち、と言われていますから、その人たちの心に響く(そうだそうだ! と言える)内容を意図したのでしょう。

2.アメリカのインフラを整備する

鉄道や道路など、物理インフラの整備は前にも言っていたので、やるのでしょう。

基本的にトランプの考え方は1980年代のアメリカということらしいので、公共事業で雇用を確保して景気回復! という感じの、昔の日本を彷彿とさせる馴染み深い政策を進めるのでしょうかね。

3.国境を取り戻し、アメリカの製品を買う

これも繰り返しトランプ氏が言っていることですね。メキシコの製品なんて買うんじゃないと。メキシコに壁を作れと。

トランプ氏の人生のハイライトの一つとなるであろう今回の演説では、そこまで過激な言葉は口走っていませんでしたが(笑)。

アメリカの保護主義政策を徹底するという主張になります。これも従来通りです。

4.同盟関係を強化する

とりあえず、日米同盟を基軸とする日本の現状を考えると、悪くはない発言です。ただ、

古い同盟を強化し、新たなものを形づくります

という発言から推測するに、内容は書き換える(そして、おそらくはアメリカに有利なように)と言っているので、今まで通りとはいかないのでしょうね。

5.他の国々の軍隊を援助してきたが、アメリカの軍隊は枯渇した

今までのアメリカが標榜していた「世界の警察」に関する発言ですね。

演説での文脈的にはネガティブな側面で語られているので、やはり世界の警察であることには一定のメスをいれるのかもしれません。

ただ、世界中に展開しているからこそのアメリカの巨大軍隊なわけで、世界から引き上げたとして、アメリカ一国で今の規模をまかなえるとも思えないんですよね。じゃあ、軍を縮小するのか、となるわけですけど、それはそれでアメリカの威圧力が低下するわけですから、それも簡単ではないと思うんですよね。

その威圧力、あるいは世界の警察への畏怖が、アメリカ・ファーストという無茶を通す推進剤なわけですからね。

6.テロリストは根絶する

中東のテロリストはトランプの絶対に許さないリストに入っているようで、根絶という強い単語で否定しています。

ただ、演説の端っこに申し訳ない程度にたされているだけなので、それほど強い想いも明確なビジョンもないのでしょう。とりあえず、言っておこう的な。

テロとの戦いは進めるようですが、方針は今までから大きく変わるかもしれません。オバマ政権とロシア側では援助するグループが異なるため、対立関係にありました。トランプ大統領は「ロシア推し」なので、ロシアの方針に乗り換える可能性があります。

まとめ

演説の内容としては、基本的に今まで言っていた主張

  • アメリカ優先で考える
  • 全ての他国との条約(契約)はすべて見直す

を(トランプ大統領にしては)お上品な言葉で繰り返した内容となります。そういう意味では、あいかわらず、ブレていないですね。

というか、それ以上に言えることが、ないのかもしれません。まだ具体的な計画は特にないのでしょうね。

それゆえに、この就任演説による世界経済への影響は少ないでしょう。

どちらかというと、その後に発表されたTPP脱退やオバマケア廃止のほうが影響があるかもしれません。ただ、それらも以前からトランプ大統領が就任前から言い続けていたことなので、各国としては織り込み済み、想定の範囲内でしょう。

トランプ旋風が吹き荒れるのはこれからだと思います。

アメリカ・ファーストとは、どれほどまでにアメリカ・ファーストなのか。アメリカは各国にどれほどのものをつきつけてくるのか。

トランプ大統領が外交を活発化させたときこそが、本当の波乱が始まるのでしょうね。

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