おにメモ

SIerを辞めてフリーランスになったシステムエンジニアのブログ。

「フルタチさん」はなぜ敗北したのか?

古舘伊知郎のバラエティ復帰番組ということで、大々的に始まった「フルタチさん」。

ところが視聴率は5%を割り、すごく良い視聴率ですよね、深夜番組だったら。え、ゴールデンでこれですか!? みたいな状態になっています。

www.excite.co.jp

三顧の礼で古舘伊知郎を迎えておきながらも、打ち切りも間近だとか。この手のひら返しは実に胸熱です。

局のバックアップ、有名司会者の復帰第一弾。成功する要素は揃っているのに、なぜか失敗しました。なぜこうなったのか、考えてみました。

番組名が悪すぎる

そもそも番組名が悪すぎます。「フルタチさん」って。どんな番組なのか訴える効果がゼロですよね。番組名とは、そのままキャッチコピーであり、番組のコマーシャルなわけですから、もっと視聴者に印象が伝わりやすいものにしないといけません。

古舘伊知郎が担当してきた番組を見てみると

  • 筋肉番付
  • おしゃれカンケイ
  • 報道ステーション

何の番組か、何を期待してみれば良いのか、いずれも一目瞭然です。こうしたキャッチーなタイトルをつけておかないとダメだったのかもしれません。

テレビ局のフルタチ推しと世間のズレ

ただ、先に書いたことと矛盾しますが、実は「フルタチさん」というタイトルは、ものすごく明瞭なコマーシャルであったりもします。

それは「古舘伊知郎の番組」であること。

おそらくは司会者本人である古舘伊知郎も、そして、テレビ局も、古舘伊知郎という名前だけで勝負できると判断して、このどストレートなタイトルをつけたのでしょう。

そういう意味では、すごく正しいタイトルです。

ただ、そこに彼らが想像するほどの訴求力はなかった、ということでしょうね。それほど古舘伊知郎を見たい人は多くなかった。そうなってしまうと、何の番組かすらわからないので、古舘伊知郎に興味がない視聴者層には何もひっかかるものがありません。

これは制作側の意識が、世間からズレていることの現れでしょう。そりゃダメですよね。

裏が強すぎる

結局、その異常な古舘ブランドへの過信が判断を誤らせたのでしょうか、とんでもない時間帯に放送してますよね。

鉄腕ダッシュ、イッテQ、NHK大河。

この時間帯に突撃するって、かなり勇気があると思います。ていうか、無謀ですよね。

日曜の午後6時から9時くらいって、家族で仲良くテレビを見る時間じゃないですか。鉄腕ダッシュもイッテQも家族で仲良くわいわい見れる鉄板の番組じゃないですか。

そこに復帰第一弾を持ってくる古舘伊知郎のいさぎよさは、少しカッコイイとも思うのですが、さすがに古舘ブランドを過大評価しすぎでしょうね。

古舘伊知郎の使い方がよろしくない

そもそも、古舘伊知郎が、そんな日曜の家族らんらんタイムに似合うとも思えないんですよね。

番組を見ていても、何か普通に喋っているだけで、いや、違う、古舘伊知郎に期待しているのは、そういう普通のトークじゃないんだよ、と思うわけで。

古舘伊知郎って、もともと、どんな形容表現だよ(笑)とツッコミたくなるようなプロレスの実況中継で名前を売った人で、そこから筋肉番付の実況兼司会を担当して、さらに、国際的な水泳大会の実況を担当して全国区へと進出したイメージです。

「トップを泳ぐ選手の肩、まさに両の腕をぐるぐると回転させる、その強靭な関節、そこに乳酸が溜まっていく! ストロークが悪くなったか!? いや、そんなことはない、強靭な精神が肉体を支え、前へ前へと推し進めていく。蓄積する乳酸など気にしない、力強い腕運びで水を押しのけ進んでいきます!」

彼が絶叫する「乳酸」という単語は、きっと日本中の大人なら聞いたこと、ありますよね(笑)

こんな感じの、くどい語りをみんな期待していると思うんですよね。あの当時の、古舘伊知郎の語りを聞いたみたいです。

本人的には通り過ぎた通過点、振り返らない過去なのかもしれませんが、原点回帰として、SASUKEの実況でもやってもらえないかなあ、と思います。

か、くどい語りを延々とするような、マニアックな番組にしてほしいですね。