【映画】SING/シングの感想。すごく面白かった!
先日、映画SINGを見てきました。これがすごく面白かったので、ここで紹介したいと思います。
映画【SING】って何?
アナ雪やファインディング・ニモのような、アメリカで制作されたCGアニメです。
ゾウやブタのような、様々な動物たちが人のように街で暮らしている世界が舞台となります。
主人公のコアラ(バスター・ムーン)は子供の頃に見た「劇場」に魅せられて、オンボロ劇場の支配人になるも、全く経営がうまくいかない。借金だらけで電気代も払えない日々を過ごしています。
しかし、夢と希望にあふれるバスター・ムーンの頭に失敗の二文字はなく、必ず成功すると信じて、新しい事業を打ち出します。
「街で普通に暮らす、目立たないけど歌の才能あふれる動物たちを発掘して、プロデュースしよう!」
バスター・ムーンの閃きはありふれたものでしたが、おっちょこちょいな事務員のミスと不幸な偶然が重なって「1000$」の賞金が「10万$」の賞金で告知され、あっという間に街中の話題に。
もちろん、借金だらけのバスター・ムーンにそんな金はありません。
しかし、その賞金に釣られて街中から歌自慢たちが姿を現します。バスター・ムーンは告知された賞金の額を知って目をむきますが、このチャンスを逃してはならない! と判断してコンクールを続けます。
そして、最終的に集ったのはこんな個性的な面々でした。
- 20匹以上の子供を持つブタの主婦、ロジータ
- 無理やり犯罪者グループで働かされているゴリラ、ジョニー
- ろくでもない彼氏に振り回されるハリネズミのロッカー、アッシュ
- 金にきたなく利己的な性格のネズミ、マイク
- 歌声はバツグンだが恥ずかしがり屋で歌えないゾウ、ミーナ
わけありの面々をまとめあげ、バスター・ムーンは最高のショーで起死回生の大逆転を狙おうとします。
という、お話。
前半の面白さ
ハラハラした展開で観客をあきさせず、最後まで注意を引きつける、というのは映画のお約束ですが、SINGもなかなかうまくできています。
前半の引きはこれでしょう。
- バスター・ムーンに金はない(払える賞金はない)
- 心優しいゴリラのジョニーは犯罪グループに(いやいや)参加
この2つが実に話を揺らしてくれます。
金がないバスター・ムーンに賞金が払えるわけもなく、賞金が入っているという箱にはただガラクタがあるだけ。
で、何度かこの箱が開かれそうになるんですね(笑)
その瞬間、あー! あー! って視聴者はなっちゃうわけです。このあたり、展開がうまいなーとにやにやしてしまいます。
また、ゴリラくんが犯罪者、というのも非常にアクセントが効いています。
彼は心優しい人物で、本当は、犯罪ではなく自分の好きな歌を歌うことで生きていきたいんですよね。
このあたりの心情も、観客は共感ができるポイントです。
でも、彼は現役の犯罪者であり、そういう生き方が身にしみている。だから、道を踏み外しそうになる。
そういった展開も、観客はハラハラしながら見るわけです。
他のキャラクターたちもコミカルな展開に一役買っており、実に楽しませてくれます。まるでジェットコースターのようなワクワクした展開で、あっという間に時間がすぎていきます。
クライマックスでもサービス精神はおさまらない
ご想像どおりだと思いますので、これは書いてしまいますが、クライマックスはもちろん、劇場でのド派手な歌唱シーンです。
これもまた、本当に面白いんですよね。
キャラクターたちの生き様にぴったりあった過去の名曲を、楽しい映像とともにこれでもかと繰り出してくる展開。
正直、もうこれで充分なんですよね。これだけでも本当に楽しい。
でも、脚本家は手を抜かないです。
ただの歌唱シーンではなく、いろいろなハプニングをまぜながら、観客の興味を引き続けます。そこまで徹底的にやるのか! と舌を巻く、手抜きのない演出に楽しませてもらいました。
あっという間の100分でしたね。
特に面白かったことは?
面白いなー、と思ったのは、登場人物が動物、ということですね。動物だからこそ、サイズの大小が人間よりもはるかにバリエーションに富んでいます。
だから、描かれるシーンの視点が、主観となる動物ごとによってまちまちなんですよね。ネズミのような小さな体の視点にたてば、どんなシーンも目新しいもので、わくわくしてきます。そういった、普通は味わえない視点で物語を眺めることができるのも、非常に楽しかったです。
シーンの視点だけではなくて、動物の体のサイズに基づいたリアクションの違いもあちこちに散りばめられていて、コミカルに楽しませてくれます。こういうのは人間を主役にするとできない演出で、動物を主体にした物語ならではと言えます。
物語も演出も細かいところまで作り込まれている名作だと思います。ぜひ観てみてください。