おにメモ

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祝! 火ノ丸相撲アニメ化決定!

少年ジャンプで連載中の熱血相撲マンガ「火ノ丸相撲」のアニメ決定が報じられました。

animeanime.jp

おおおおおおお! 実は私、このマンガが大好きでして。

少年ジャンプを読んでいる友人に「BLEACHとかナルトが終わっちゃったけど、少年ジャンプで面白いマンガあるの?」と聞いたら、

「相撲は面白いぞ、相撲は」

と言われたんですね。で、読んでみたらドハマリしまして。今のところ、全巻コミックを持っているくらいに楽しんでいます(現時点で18巻まで発行)。

せっかくなので、火ノ丸相撲の何が面白いのか、書いていきたいと思います。

少年マンガの王道を行く物語!

まず物語がThe少年マンガという感じで熱いんですよね。

主人公は潮(うしお)火ノ丸(ひのまる)という高校生です。彼は小学生相撲チャンピオンに輝きますが、中学では鳴かず飛ばずの成績に落ちてしまいます。理由は

身長が伸びなかったから。

火ノ丸の身長はたった152cmと、小柄な女性並みの身長だったりします。

彼の目指す相撲は真っ向勝負の横綱相撲。その相撲を取りきるには、彼の体はあまりにも小さすぎました。周囲の体格が大きくなるにつれ、勝てなくなっていくのは自明です。

ごめんね、火ノ丸。大きな体に産んでやれなくて。

そう言って、火ノ丸の母親は若くして病気で亡くなってしまいます。一度は挫折しかけた夢ですが、その母親の言葉を胸に刻み込み、火ノ丸は再起します。

もう、体格を言い訳にはしない。

母親の無念を削ぐため、この体でも充分にやれると証明するため、彼は文字通り死ぬほどの稽古を積み重ね、再び高校で相撲界に舞い戻ってきます。

夢は大きく、横綱になること。

いやー、この設定だけでわくわくしますよね?

  • 恵まれた才能
  • だけど、努力ではどうしようもない弱点もある
  • 大きな挫折を経験
  • それに屈せず、立ち上がろうとするヒーロー

もう応援したくなって仕方ないです。

特に、母親関連のエピソードはとても好きですね。

火ノ丸を小さく産んでしまったことを悔いて死んだ母親の無念を打ち消そうと、必死になって戦う。この体でもやれる、あなたは謝る必要などないと母親に叫ぶかのように戦う火ノ丸の姿は胸を打ちます。

画力がものすごい!

昔、こんな話を聞いたことがあります。

「服を着た人間を描くより、裸体の人間を描くほうが難しい」

なんでかというと、服を着ていると人体のデッサンに狂いがあってもごまかせるらしいんですよね。でも、裸だとそれができないと。

なので、絵がうまくないと裸を正確に描けないわけです。

で、相撲と言えば、まわし一丁。入り乱れる(ほぼ)全裸のオンパレード(笑)。

相当な画力がないと描けないと思うわけですけども、作者の川田さんの実力は素晴らしく、なんなく描ききっています。ひょっとすると、男の裸体を描かせると日本で一番うまいマンガ家かもしれません(笑)。

絵の画風も、これぞ少年マンガの王道と言わんばかりに、実にバランスが良いんですね。正確な絵を描きながらも、マンガのキャラとして正しくデフォルメしていると言うか。しかし、そのデフォルメは絵のバランスを崩していないというか。

造形にいびつな部分がなくすっきりしているので、絵を見ているだけで惹き込まれます。

キャラクターが濃い!

相撲マンガの大変なところは、出てくるキャラクターがみんな(ほぼ)全裸のため、服装によりキャラ立てができないんですね(笑)

しかも、団体戦がメインなので、たくさんの学校から5人ずつ選手が出てきます。多すぎ(笑)。それでも卓越した画力だけあってうまく特徴をとらえて個性的にデザインしているのはさすがです。

もちろん絵だけではなくて、キャラクター、それ自体がすごく立っているんですよね。主人公の火ノ丸とともに戦う学校のメンバーだけでも

  • 小関
    • バカにされながらも一人で相撲部を守っていた主将。火ノ丸と出会って才能を開花させる。
  • 祐真(ゆうま)
    • 元不良。火ノ丸に負けて更正する。元不良で悪ぶった過去に思い悩む。
  • 千比路(ちひろ)
    • アマレスラー全国チャンピオン。腕試しで相撲に取り組み始める。
  • 監督
    • 元火ノ丸のライバル。天才的なセンスを持つが持病で満足に相撲がとれない。
  • 蛍くん
    • ひ弱な自分を変えるために入部する。部で一勝するのがテーマ。

という感じで、それぞれに強い個性が設定されています。

それぞれに背負っているバックボーン(=負けられない理由)があるため、ついつい勝ってくれー! と応援したくなります。

大迫力の相撲シーン!

卓越した画力によって描き出されるのが、ド迫力の相撲バトルです。超常現象や物理法則を無視したかのような必殺技などない、ただただ肉体と肉体がぶつかるガチンコ勝負。

組み合ってからの投げ技で、相撲取りの巨体がアクロバティックに吹っ飛ぶわけで、すさまじい構図が描かれています(笑)。

そんな迫力あるバトルに、上述した「それぞれの負けられない理由」ががっちりと描かれます。物理的にも心理的にも熱い戦いが紙面に描き出されます。

特に主人公である火ノ丸の試合は全戦名勝負。小兵という限界に何度もくじけそうになり、砕かれそうになりながらも、決死の力で限界を突破していく熱さは胸を焦がします。

セリフがいちいち熱い!

基本的に作品のよしあしは「セリフのよしあし」に依存すると思っています。かっこいい、意表をつくセリフが描ければ、その作品は「成功」したも同然です。

火ノ丸相撲はセリフも熱い。

たとえば、こんな感じです。

火ノ丸の序盤のライバルに「沙田(さだ)美月(みつき)」という中学生チャンピオンがいます(彼との試合は最序盤の名勝負です。1巻2巻でここまで描ききって大丈夫? というくらい最終回のノリで戦います)。

この沙田くんは子供のころから運動神経抜群で、顔もイケメンで女子からきゃーきゃー言われているんですね。その沙田が相撲を始めるとき、女子からこう言われるんですね。

「やめてよぉ! まわし姿なんてかっこ悪い!」

それに対しての返答がいいんですよね。

「かっこ悪いか。じゃあ、もし、そんなまわし姿でもかっこ良く見えたら、そいつはきっと本当にかっこいいやつなんだろうな」

いいセリフだな、と思いません?

もうひとつ序盤から紹介するなら、チームメイトの千比路が入部するきっかけの試合ですね。アマレスチャンピオンの彼は火ノ丸と異種格闘技戦をするのですが、最初は相撲を馬鹿にしています。

土俵の外に出たり、手をつくだけで負け。まだ戦えるのにそこで終わり。

「俺に言わせりゃ、負けの重みが違うね。相手を完全に制圧してこその勝利だろ! 相撲ってのはどうにもぬるいんだよなぁ」

その後、千比路を紙一重で制圧してから、火ノ丸はこう切り返します。

「詰みの一手まで負けじゃない。お前さんの気持はよくわかる。じゃがわしらがかけとるのは肉体の生死ではない。

心の生死。

己の覚悟と矜持を乗せた全身全霊がはじき返され、土俵に残った相手を見上げれば充分、力士は死ぬのさ。どうじゃ? ぬるいか?」

全身全霊の技を切り替えされた千比路は火ノ丸の正しさを認め、負けを宣言します。

どれも意表をつく、それでいてキャラが立ついいセリフだと思いませんか?

まとめ

火ノ丸相撲は本当に面白いので、マンガ好きなら読んでみてください!

1/4発売の18巻ですごく切りが良いので、今から一気読みもオススメします(笑)

火ノ丸相撲 1 (ジャンプコミックス)

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火ノ丸相撲 18 (ジャンプコミックス)

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