歯医者で虫歯を抜いてきた話
話は一ヶ月ほど前に遡ります。歯の右側が全体的に痛くなったんですね。ずきっ! とか激しいものではなく、なんだかじんじんと静かに痛む。
こりゃ、あかん。
と思って、歯医者にいったわけです。
そうしたら、何か歯科大学出て2年めくらいの若者が「あー、こりゃ、神経ぬいたほうがいいですね」と言ったわけです。
いつも思うんですけど、どうして歯医者ってのは、こじゃれた喫茶店で紅茶でも嗜もうという気軽さで、神経を抜きにくるんでしょうね?
まあ、致し方ない、と思ったわけですが、ちょっと次に通うまで間が空きそうだったんですね。また、今はそれほど痛くなかったので、とりあえず、その場は何もせず、次よろしくね、と言って帰ったわけです。
家に帰ったら、嫁がぷるぷる震えた
「治療はまた今度にしてもらったよ」と奥さまに報告したら、奥さまが震えだしまして。「痛いんだから、早く治療したほうがいいんじゃないの?」と。
そんなに焦んなくてもいいんだけどなー。
そう思いつつも、不安がる細君を放置するわけにもいかず、即座に予約を入れ直して、数日後にリベンジしたわけです。
そうしたら、前の若造とは違い、アラフォーくらいの先生がいました。
「別に神経を抜いて、治療してもいいんだけど」
先生はじっと、レントゲンを見て、こう言ったのです。
「歯を抜こう!」
まるでピクニックに行ってサンドイッチを食べよう、というように。
抜歯のススメ
ポイントを整理すると、以下のような感じでした。
- 治療対象の歯のせいで、そこは歯並びが悪い
- よって、前後の歯に食べ物が詰まりやすく、歯が磨きにくい
- その結果、そこは虫歯になりやすい
- 下との噛合せでも、その歯は使っていない。
つまり、神経を削ってまで残す価値がない、とのことです。
先生のご指摘のとおり、そこだけ歯がぽこんと横にハミってるんですよね。おかげで、そこの歯並びは魔のバミューダ・トライアングルを形成していて、物は詰まりやすいわ、ブラシッグは難しいわで、虫歯の温床になっている場所です。
以前も、別の歯医者で、そこはヤバい、と指摘されたんですよね。そのときは虫歯とかではなかったので「何かあったときに考えましょう」で終わっていました。
その、何かあったときがきたのだなあ、と。
意外とすんなりと「じゃあ、抜歯でよろしく!」と答えていました。
抜歯当日
というわけで、一週間後に歯を抜くことになりました。
抜歯作業を順番に書くと、こんな感じです。
- 抜く歯の周辺の歯茎に麻酔注射を打つ
- 針がちくちくする。たまに苦い汁(麻酔薬)が垂れる
- そのまま10分放置される
- 歯茎がぴりぴり麻痺する
- 先生がやってきてペンチを口に突っ込み、歯をぐりぐりとし始める。
- ぐぐーっと力がかかってくる&メリメリと嫌な音がする。
- きゅぽん!(実際にこんな音はしない)
ちなみに、お値段は1000円ちょっととやすかったです。
正直、抜くこと自体はたいして痛くないです。抜いた後、麻酔がきれると痛みだしますが、鈍痛という感じで、それほど激しくはないです。それも12時間弱で痛みもおさまりました。痛み止めもくれるので、最悪の場合はそれを呑めばいいですね。
どちらかというと、抜き終わった後の違和感がやばいです。
- 今まで歯のあった場所にぽっかりと空間が空いている。
- というか、歯茎そのものがへこんでいる
バミューダトライアングルの一角が崩れたわけで、歯はすっきりしたのですけど、逆にすかっとしすぎていて、あれ、ここの残った歯たち、これからやっていけるの? という漠然とした不安がありますね。
強く噛んだら、何だかぐらぐらしてすぐ抜けちゃわない? みたいな。
いったい、いつになったら慣れるんだろう、と少し不安になります。
注意事項としては、当日の入浴、飲酒はNGとのこと。また、歯茎の肉が盛り上がってくるまでには2ヶ月ほどかかる、とのことです。
で、後悔しているの?
どうなんでしょうね?
痛くて仕方がない歯だったら抜いてくり! という感じなのですけど、抜いた当時は特に痛くなかったですからね。
それに、選択肢としては神経を抜いて残す、という手もあったわけです。
何か、抜いたのはちょっと早計だったのかな? と思わないでもないですね。ぎりぎり限界まで粘ったほうが良かったのかも、とか。歯は生えてこないですから。
とはいえ、当該箇所が歯を磨きにくくて、問題を抱えていたのも事実です。
なので、後悔、というより、判断の正しさに迷いがある、という感じですね。
ただ、その答えが出るのは10年後20年後のことでしょう。もう抜いてしまった以上、ここは割り切って、楽観的にいくしかないですね。